内容へ

命を救ったキャンペーン

命を救ったキャンペーン

自殺率の高いメキシコのタバスコ州で,エホバの証人は2017年に2か月間の特別な伝道キャンペーンを行ないました。「目ざめよ!」2014年4月号の「それでも生きてゆける ― 3つの理由」という特集記事を使ったキャンペーンです。多くの人がまさに必要としていた助けでした。

ぴったりの時に

エホバの証人のファウスティーノは,22歳の息子のことで悩んでいる女性に会いました。息子はうつ病で,自殺を図ったこともありました。女性は息子を助けたいと思っていましたが,どうすればいいか分かりませんでした。ファウスティーノが雑誌を見せると,女性は「うちの息子にぴったりです」と言いました。翌日,ファウスティーノはその息子を訪問し,雑誌から聖書のアドバイスを伝えました。何度か訪問するうちに,その息子に変化が現われました。「表情が明るくなり,前より幸せそうです」とファウスティーノは述べています。その息子は,うつ病を抱える弟にも話の内容を伝えています。

ウイマングイリョ市に住むカルラは,14歳のクラスメートにこの雑誌を渡しました。こう言います。「クラスの中に,悲しそうにしている女の子がいました。話しかけると,家庭の事情を打ち明けてくれました。ふと見ると,その子の左手首に幾つもの傷がありました」。この少女にはリストカットの習慣がありました。足も傷つけていました。自分は醜く,生きていても仕方ないと思っていたのです。少女はカルラから「目ざめよ!」を受け取って読んだ後,「わたしのために書かれたみたい」と言いました。そして笑顔で,「生きていこうと思えるようになった」と言いました。

ビヤエルモサ市のある男性は絶望していました。失業し,妻が自分と子どもたちを残して家を出て行ってしまったのです。神に助けを祈り求めましたが,生きる気力を持てず,自殺しようとしました。その時,だれかがドアをノックしました。ドアを開けると,エホバの証人のマルティンとミゲルが「目ざめよ!」を見せてくれました。そのタイトルを見て,神が祈りに答えてくださったと感じました。マルティンとミゲルは男性に慰めとなる聖書の言葉を伝えました。数日後に再び訪問すると,男性はかなり落ち着きを取り戻していました。今,週に2回聖書を研究しています。

囚人が良い知らせを聞く

エホバの証人はタバスコ州の幾つかの刑務所も訪問し,人生の目的を見つけるのに役立つ聖書のアドバイスを囚人たちに伝えました。ビデオを見せたり,聖書の話をしたりしました。また雑誌を使って,生きていける理由について話し合いました。囚人も職員もこの訪問に感謝しました。ある囚人はこう述べました。「わたしは自殺しようとしたことが3回あります。神は気遣っていると言ってくれた人はいましたが,それを聖書から教えてくれた人はいませんでした。皆さんの話を聞いてとても力が得られました」。

このキャンペーンは人々の注目を集めました。州の保健当局は,地域の人々を助けるために努力したエホバの証人を表彰しました。地元の新聞は,「自殺をなくすための活動」という見出しでこのキャンペーンを取り上げました。