家族のために | 若い人
スリルの追求 リスクを考える
現実の問題
「トンネルに入って線路ぎりぎりに立ちます。目の前を列車がものすごいスピードで通り過ぎてゆきます。アドレナリンがどっと出て,いやなことはみんな吹っ飛んでいくようでした」。レオン *
「断崖絶壁のてっぺんから海に飛び込むと,ほんの一瞬だけですが,すべてを忘れられました。でも時々,とっても恐くなったのを覚えています」。ラリッサ
レオンやラリッサのように,多くの若者はスリルを求めて,自分の限界に挑戦します。非常に危険なこともあります。あなたもやってみたいという衝動に駆られますか。もしそうなら,この記事をぜひお読みください。
知っておきたいこと
スリルの追求は癖になる。初めのうちはテンションが上がっても,やがてもっと大きな刺激が欲しくなります。レオンのようにトンネルに通っていたマルコはこう言います。「悪循環でした。しばらくは楽しかったけど,すぐに物足りなくなりました」。
ジャスティンは,インラインスケートを履いて走行中の車にしがみつき,猛スピードで走り抜けていました。こう述べています。「一度やり始めると,ハマってしまいます。みんなにいいところを見せようとして,結局は入院するはめになりました」。
その場の雰囲気にのまれると,正しい判断ができなくなる。マービンという青年はこう言います。「友達から『お前ならできる!』と持ち上げられ,高層ビルでフリークライミングをさせられました。恐かったです。壁を登りながら,震えていました」。前述のラリッサはこう述べます。「みんながすることは何でもやりました。ただ合わせていただけです」。
インターネットも,スリルを求める人を持ち上げ,リスクを軽視することで,危険な行為を後押ししています。そうした行為に注目させるため,写真や動画をネットで拡散させる人もいます。
例えば,パルクールの動画が人気です。プロテクターを一切着けずに,素早く無駄のない動きで走ったり,登ったり,跳んだりして,障害物(壁,家,階段など)を乗り越えてゆく動画です。それを見
ていると,(1)危険はない,(2)みんながやっている,という間違った結論を出す恐れがあります。その結果,命を危うくするようなことをやりたくなるかもしれません。安全な方法もある。聖書は,「体の訓練は少しの事には益があ[る]」と述べています。(テモテ第一 4:8)一方,「健全な思い……をもって生活す[る]」ことも勧めています。(テトス 2:12)どうすればよいでしょうか。
どうすればよいか
リスクを考える。聖書にはこうあります。「明敏な者はみな知識をもって行動し,愚鈍な者は愚かさを広める」。(箴言 13:16)関係するリスクをしっかり調べましょう。「これは命を賭けるほどのことだろうか」と,自問自答してください。聖書の原則: 箴言 14:15
命を大切にする友達を選ぶ。本当の友達なら,危険を冒すようそそのかしたり,やりたくないことをさせたりはしません。ラリッサはこう言います。「円熟した良い友達は,バカなまねをしないよう助けてくれました。そういう友達ができたので,生活も変わりました」。聖書の原則: 箴言 13:20
「これは命を賭けるほどのことだろうか」と,自問自答してください。
命を賭けずに楽しむ。「思春期の危険行動」(英語)という本によると,「行動の指針や限界を確立する方法を学ぶ」ことは成長の一部です。自分の限界を試すときは,プロテクターを使ったり事故防止策を講じたりして,安全な環境を確保しましょう。
本物の自尊心を高める。人から尊敬されるかどうかは,危険な行為に挑戦することではなく,日常生活に立ちはだかる障害をスマートに乗り越えることにかかっています。ラリッサはこう言います。「クリフダイビングがきっかけで,わたしの生活はすさんでいきました。あの時,ノーと言えたら良かったのに」。
結論: スリルを求めて不必要な危険を冒すのではなく,レクリエーションを賢く選びましょう。聖書の原則: 箴言 15:24
^ 4節 この記事に出てくる一部の名前は変えてあります。